本コーナーで掲載する経営者インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集しています。今回、ご紹介する経営者は、鈴木伸明氏(ビズメイツ株式会社 代表取締役社長)です。(2025年11月12日 2025年11月19日 配信)
今回は、ビズメイツ株式会社の鈴木伸明氏にお越し頂きました。大学卒業後、金融事業会社やヤフー株式会社に入社。モバイル事業やWebマーケティングを経験後、2012年にビズメイツ株式会社を創業。業績を伸ばし、同社を上場へと導いたエピソードから経営のヒントが得られます。ぜひ、インタビューをお読みください。
サッカー漬けだった、横浜での文武両道の日々
新谷哲:本日の経営者インタビューは、ビズメイツ株式会社の鈴木伸明社長です。まずは経歴をご紹介します。2000年、青山学院大学経済学部を卒業後、金融事業会社を経てヤフー株式会社に入社。その後、ベルリッツ・ジャパン株式会社へ移り、2012年にビズメイツ株式会社を設立。2023年には東証グロース市場への上場を果たされました。本日はよろしくお願いいたします。
鈴木伸明:よろしくお願いいたします。
新谷哲:最初のご質問です。ご出身はどちらですか?
鈴木伸明:神奈川県横浜市です。生まれは東京都町田市ですが、5歳頃から横浜で育ちましたので、出身は横浜としております。
新谷哲:小学校時代はどのようにお過ごしになられましたか?
鈴木伸明:サッカーに励んでいて、運動は得意でした。勉強もできる方でしたが、秀才というよりは、まんべんなくそつなくこなすタイプでした。
新谷哲:周囲からは優秀なお子さんと見られていたのでしょうか?
鈴木伸明:そうかもしれませんね(笑)
新谷哲:中学校はどちらに進まれましたか?
鈴木伸明:中学受験をして、中・高は鎌倉学園で過ごしました。
新谷哲:鎌倉学園時代はどのようにお過ごしになられましたか?
鈴木伸明:サッカー部に入り、キャプテンも務めました。文武両道を掲げる学校でしたので、勉強とスポーツの両方に励みました。高校では週6日サッカーに取り組み、高校2年生から塾にも通いました。高校3年生の5月にサッカーを引退してからは受験勉強に切り替えましたが、それまでは本当にサッカー漬けの毎日でした。
新谷哲:ポジションはどちらでしたか?
鈴木伸明:小・中ではフォワードやミッドフィルダーを経験し、高校では左サイドバックを務めました。
新谷哲:体力には自信がおありでしたか?
鈴木伸明:はい。1500メートル走などの持久走も得意で、陸上部ほどではありませんが、クラスの中ではかなり速い方でした。
社会で通じる力を、アルバイトで身につけた大学時代
新谷哲:青山学院大学に進学されたのは、どのような理由ですか?
鈴木伸明:自分の偏差値でMARCHを狙えるレベルだったので、いくつか受験した中で青山学院大学を選びました。
新谷哲:大学時代はどのようにお過ごしでしたか?
鈴木伸明:入学当初はサークルにも入ろうと新歓にいくつか参加しましたが、社会に出た時に通じる力を身に付けたいと考え、アルバイトに精を出しました。塾講師や居酒屋から始まり、オムレツ料理屋、ベルギーワッフルの店、最後はスターバックスで働いて就職を迎えました。アルバイトに熱中しすぎて大学4年時点で32単位不足するという事態になり、卒業確認に行く時は非常にドキドキした記憶があります。
新谷哲:追い込まれてしっかり取り切れたのは、集中力のなせる業ですね。
鈴木伸明:そうですね(笑)。追い込まれたらきちんとやる人間でした。
厳しい研修で身につけた、どこにでも飛び込む力

新谷哲:大学卒業後、最初に入られた金融事業会社はどのような会社でしたか?
鈴木伸明:三貴商事という会社で、現在は存在していません。商品先物取引をメインに、FXなども手がける会社で、グループ会社を合わせると業界トップクラスの規模でした。管理部門採用でしたが、最初の1か月は営業と一緒に合宿研修を受けました。どこにでも飛び込むマインドや、上司の指示に即座に対応する姿勢など、非常に厳しいスパルタ式の研修でしたが、当時学んだことは現在でもマインドの原点になっています。
会社を動かしている実感を求めて——ヤフーからベルリッツへ
新谷哲:その後、ヤフー株式会社に転職された理由は何でしょうか?
鈴木伸明:金融商品取引法の改正により、業界全体で積極的な営業ができなくなりました。私は経営企画としてマーケティングによるプル型の業績回復を社長に提案し続けましたが、急激な変化に対応しきれず業績は落ち込んでいきました。社長と話し合い、自分自身も次のステージへ進みたいという気持ちが固まり、ヤフーに転職しました。
新谷哲:ヤフーでの思い出はございますか?
鈴木伸明:金融からITへの転職は異業種も異業種で、おそらく当時としては珍しいケースだったと思います。数字分析が得意だったこともあり、経営企画としてサービスのKPIをウォッチし、数値の変化から改善アクションを提案したり、事業計画を策定したりする業務を担いました。大企業ならではの経営企画の専門性を深められた経験でした。
新谷哲:その後、ベルリッツ・ジャパンに移られた理由は何でしょうか?
鈴木伸明:ヤフーでは専門性を高められましたが、三貴商事で社長直下の500人規模の組織にいた頃と比べると、会社を動かしている実感が得られませんでした。ちょうどその頃、ベネッセの子会社だったベルリッツ・ジャパンに新しい社長が着任し、右腕を探しているという募集がありました。応募したところご縁があり、入社しました。
新谷哲:ベルリッツでの思い出はございますか?
鈴木伸明:社長との距離が近く、「ウェブマーケティングに課題がある」と提案したら、「じゃあ鈴木くん、やってよ」とすぐに任せてもらえました。経営企画との兼務でしたが、ウェブマーケティングの責任者として売上向上に直接関わった経験は、その後の起業に大いに役立ちました。
3.11が変えた英会話の常識、そしてBizmatesの誕生
新谷哲:ビズメイツ株式会社を設立された経緯をお聞かせください。
鈴木伸明:ベルリッツも英会話スクールですが、通学型が中心でオンラインには強みがありませんでした。3.11の際、都内の交通機関がまひして生徒がベルリッツに通えなくなり、3月の売上が半分以下に落ちました。その時に会長が「今後、英会話はオンラインで学ぶ時代になる」と方針を示し、私もマーケティング担当としてオンライン化の推進に取り組みました。
当時すでに、フィリピン人講師とスカイプを使った格安オンライン英会話が多数立ち上がっており、レアジョブさんは2007年の創業から着実に業績を伸ばしていました。一方で、英会話スクール出身者が立ち上げたオンライン英会話はなく、ビジネス経験を持つ講師を揃え、オリジナルのビジネス教材を使って体系的に教えるサービスは存在していませんでした。ちょうどその頃、楽天やユニクロが英語を社内公用語化し、日本にいながら英語が求められる時代になっていました。ビジネスパーソンのための本格的なオンライン英会話には大きなニーズがあると確信し、それが「Bizmates」のコンセプトになりました。教材開発や講師育成は未経験でしたので、ベルリッツ時代の同僚で現在は弊社取締役を務める伊藤日加に声をかけました。彼はベルリッツで5年間教材開発を担当し、日本人向けに制作した教材が世界70か国のベルリッツ拠点に展開されるほどの実績を持つ人物です。「それやろうよ!」と快諾してくれたことで、創業に至りました。
新谷哲:創業にあたって怖さはありましたか?
鈴木伸明:私も伊藤もありませんでした。彼は自分が作るプロダクトへの自信がありましたし、私は社長の傍で仕事をしてきた経験から「自分が意思決定したらどうなるか」を常に考えてきました。三貴商事では言われたことをやるところからスタートしましたが、ベルリッツ時代には「自分ならこうやるのに」という思いが積み重なっていました。創業して自分の思い通りに意思決定できる楽しさは、非常に実感していました。
新谷哲:上場は最初から狙っていましたか?
鈴木伸明:いいえ。ただ「起業するなら上場できたら良いな」という憧れは頭の中にありました。
新谷哲:上場を果たされるまでの苦労はありますか?
鈴木伸明:創業から約5年間はオンライン英会話一本でやってきました。売上が10億円に迫ってきた頃に「IPOも見えてきた」という確信に変わり、同時に新規事業も展開してシナジーを生み出していこうと考えました。監査法人や証券会社との契約など様々なハードシングス(難局)がありましたが、1つひとつ乗り越えながら準備を進めてきました。
新谷哲:ビズメイツ株式会社の事業内容をご説明いただけますか?
鈴木伸明:祖業のオンライン英会話「Bizmates」はビジネスに完全特化したサービスです。講師はビジネス経験者のみを採用し、オリジナル教材を使って体系化に教えています。「ビジネスパーソンのゴールは英語を話すことではなく、ビジネスで結果を出すことだ」というコンセプトのもと、品質の高さが支持されています。2018年頃にオンライン英会話の基盤が固まったことで第二創業期と位置づけ、新事業の創出に取り組みました。フィリピン子会社のネットワークを活かした外国人ITエンジニアの人材紹介「G Talent(ジータレント)」を立ち上げました。続いて、2020年に来日した外国人が日本で活躍するためのビジネス日本語サービス「Zipan(ジパン)」などを順次立ち上げてきました。(※)。今後はこれらのサービスのシナジーを高めるとともに、M&Aなども視野に入れながら、さらなる業績拡大に取り組んでいきます。
(※)エンジニア採用プラットフォーム「GitTap」は、サービス体制の強化および提供価値の最大化のため、2026年12月をもって「G Talent」へ統合・吸収を予定しております。
座右の銘「百錬成鋼」——叩かれて鋼になる

新谷哲:ここからは全く違う質問をいたします。事前に好きなもの・好きなことをお聞きし「ゴルフ、ダーツ、サッカー」とお答えいただきました。サッカーは今も続けているのでしょうか?
鈴木伸明:経営者が集まるサッカーイベントに声をかけていただき、1〜2か月に1度ほど参加しています。
新谷哲:ダーツも定期的にされていますか?
鈴木伸明:サッカーよりは頻度が低いです。自宅近くにダーツバーがあり、そこにプロがいらっしゃるので、ハンディ付きで気軽に対戦させていただいています。
新谷哲:次に座右の銘もお聞きし「百錬成鋼」とお答えいただきました。こちらを選ばれた理由はありますか?
鈴木伸明:上場した際に同様の質問をいただき、自分の生き様を言い表すとすればまさにこれだと思い選びました。生きていく中では様々な困難がありますが、それに向き合い乗り越えることで自分は成長できたと感じてきました。その積み重ねが自分の成功や実現したい未来につながっています。「百錬成鋼」は百回叩いて鍛え、鋼のように強くなるという意味で、まさに自分の歩みを表した言葉です。
新谷哲:次が最後のご質問です。全国の経営者、これから起業する方に向け、経営者として成功する秘訣をお教えください。
鈴木伸明:いくつかありますが、まず中長期的な視点を持って意思決定することが大切だと思います。成長するにつれて必ず様々な壁が出てきますが、それに真摯に向き合い、自分の成長と会社の成長を重ね合わせていく。その繰り返しの先に成功が見えてくると考えています。現在もその信念のもとで経営を続けています。
新谷哲:鈴木伸明社長、本日はありがとうございました。
鈴木伸明:どうもありがとうございました。
編集後記
今回はビズメイツ株式会社の鈴木伸明社長でした。上場企業の社長らしく、落ち着いて淡々とお話をされる方でした。起業以前に社長の傍で様々なことに取り組んできた経験が、現在の経営に生きているとのこと。「百錬成鋼」という座右の銘のとおり、ご自身を鍛え続けてきた結果として上場企業の社長にまで成長されたのだと感じました。事業成長を目指す経営者の皆様にとっても、鈴木社長の歩みや経営観は大いに参考になるのではないでしょうか。
ビズメイツ株式会社 代表取締役社長
2000年、青山学院大学経済学部を卒業後、金融事業会社を経て、2007年ヤフー株式会社に入社。モバイル事業部、R&D統括本部にてKPI分析、事業計画策定などに従事。2009年ベルリッツ・ジャパン株式会社に入社し、社長室アシスタント・マネージャーとして経営企画業務全般を担当。その後同社のWebマーケティングおよび法人マーケティングの推進リーダーを歴任し、2012年6月に退社。同年7月、ビズメイツ株式会社を設立し代表取締役社長に就任。2023年、東証グロース市場に上場。
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本インタビューは、Podcast「社長に聞く!in WizBiz」で配信中の経営者インタビューを編集したものです。文中に登場する社名、肩書、数字情報などは、原則、収録当時のものですので、予めご了承ください。
今回は、鈴木伸明氏(ビズメイツ株式会社 代表取締役社長)の経営者インタビューを取り上げました。
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